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生活保護でもらえる金額は住む地域や状況によって違う!
生活保護でもらえる金額は住んでいる地域や年齢、職業、扶養状況などによっても違います。
まず最初に生活保護には8種類の扶助があります。
扶助名 | 内容 | 具体的な内容 |
生活扶助 | 日常生活に必要な費用 | 衣食住の「衣」と「食」にかかるお金。生活必需品(消耗品)の購入代金なども含まれる。 |
住宅扶助 | 家賃などの費用 | 衣食住の「住」にかかるお金。家賃代。必要な敷金・礼金、修繕費用なども支給してもらえる場合がある。 |
教育扶助 | 教育をうけるために必要な費用 | 学用品、教科書、学費などにかかる費用の支給。給食費、修学旅行代、制服代、通学費なども含まれます。 |
医療扶助 | 医療サービスなどの費用 | 投薬、手術、診察、通院代などにかかる費用の支給。入院や看護、移送などの保護も行なってもらえます。 |
介護扶助 | 介護サービスなどの費用 | 介護サービス(老人ホーム、デイホームなど)にかかる費用の支給。自己負担額を抑えることができる。 |
出産扶助 | 出産に必要な費用 | 分娩費(基準額)、出産に伴う入院費用、衛生材費用など、総額40万円が支給されます。(※状況による金額差あり) |
生業扶助 | 就労活動などの費用 | 資金、器具又は資料、就労に必要な技術学習習得、就労などにかかる費用。職業訓練校に通っている期間に支給される。 |
葬祭扶助 | 葬祭費用 | 葬儀代にかかるお金。遺族が葬儀代を出せなかったときに葬儀費用を扶助できる。 |
扶助は受給金額が定められています。しかし生活保護は受給金額は定まっていません。これらの扶助に加えて、状況や住んでいる地域により生活保護受給金額が決まります。そのため誰もが均等に同じ金額を受給できるわけではないと考えてください。
生活保護でもらえる金額の計算方法
生活保護でもらえる金額は人によって異なります。自分がいくらくらいの金額を貰えるのか、計算方法を使って確かめてみましょう。
まず扶助の中でも大きな支給額になる生活扶助と住宅扶助。
生活扶助は「日常的に必要な費用」ですが、これは細かく2種類に分けられます。
- 生活扶助1種…食費等の個人経費
- 生活扶助2種…光熱費等の世帯経費
これらは国が定める基準内であれば、おおまかな計算が可能です。
今現在の生活でかかっている費用を当てはめ、計算をしてみましょう。生活保護の金額は計算結果+各種扶助+加算額がイメージになります。
実際に支給される金額は国が決めるため、正確なものを出すことはできません。しかしアバウトなイメージはできると思います。まずは「自分ならだいたいこのくらいもらえる」という金額を把握しておきましょう。
生活扶助は食費が含まれています。「高齢者よりも若者の方がよく食べる」という一般的なイメージの通り、支給される金額も若者の方が高額になるといわれています。
障害を持っていると扶助が加算される!
障害者手帳を持っていると生活保護受給金額が加算されます。
障害レベル | 加算金額 |
身体・知的障害1、2級、障害年金1級(相当の方) | 約21,000円〜26,000円 |
身体・知的障害3級、障害年金2級(相当の方) | 約15,000円〜17,000円 |
身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳は、それぞれの市区町村の自治体で申請が可能です。
「体調が悪くて働けない」「事故で怪我をして働けなくなってしまった」「精神的に辛くて生活を送るのも精一杯」などの理由で生活保護受給を考えている方は、一度病院に行き、障害者手帳についての相談をしてみましょう。自分の体調や怪我の状況次第では、障害者手帳が発行される場合もあります。
障害者手帳が発行されれば、上記のような扶助も受けられます。自分の生活を豊かにするためにも「体調が悪い」場合は一度専門の医療機関で診察をしてもらいましょう。
※障害者年金を受給している場合「収入がある」と判断され、生活保護受給額が減額されるケースがあります。
母子・父子世帯は扶助が加算される!
母子家庭、父子家庭は子供の人数によって扶助が加算されます。
子供の人数 | 加算金額 |
1名 | 約22,000円 |
2名 | 約24,000円 |
3名以上 | 1人につき約900円 |
子育てをしている場合、生活保護申請時にお子様の人数を確認されます。しっかりと人数、家庭状況を伝え加算扶助をもらえるようにしましょう。
実際に生活保護の金額を聞いてみました!
ここまで生活保護でもらえる金額について紹介をしてきました。しかし「具体的にどのくらいもらえるのかイメージがわかない」という方もいると思います。そこで今回は実際に生活保護の受給をしている人に、どのくらいの金額をもらっているのかなどの具体的な話を聞きました。
20代男性・生活保護受給金額は毎月10万円
項目 | 受給金額 |
生活扶助1 | 30,000円 |
生活扶助2 | 20,000円 |
住宅扶助2 | 40,000円 |
医療扶助 | 約10,000円 |
合計 | 約100,000円 |
社会人になり2年間、ブラック企業でほぼ休みなく毎日働き続けました。仕事の疲れを癒す場所もなければ、お金も時間もない。そういった環境の中で過ごした結果、うつ病になりました。毎日酷い吐き気、不眠、頭痛に襲われ、幻聴幻覚や被害妄想が酷くなり、最終的に精神病棟に入院することに。これをきかっけかに会社をやめました。
しかし退職後、まともに働くことができず、家族にも頼れる状況ではなかったため生活保護の申請を行いました。私の場合は診断書が出ていたので、かなりスムーズに生活保護の手続きが進みました。
生活保護受給後は、医療扶助も受けられることになり生活の負担はかなり抑えられるようになりました。とはいえ、毎月10万円だけで生活を送るのはかなり苦しいものです。遊んだり、外食をすることはできません。最低限の生活を送りながら治療も並行して行い、社会復帰の準備もする。結構ハードな生活を送っています。
30代夫婦・生活保護受給金額は毎月21万円
項目 | 受給金額 |
生活扶助1 | 70,000円 |
生活扶助2 | 70,000円 |
住宅扶助2 | 60,000円 |
児童教育加算 | 10,000円 |
合計 | 約210,000円 |
現在は毎月約21万円支給されています。子供もいるので21万円+私の収入7万円=合計28万円で家族3人生活を送るのは大変です。しかし生活保護の受給があるのと、ないのではだいぶ違います。
生活保護を申請した際に担当者の方から「贅沢は禁物。最低限の生活を送る努力をしてください」と言われました。その言われの通り、今は細々生活を送っています。自由度は低い生活になりますが生活保護を受けるだけでも、以前よりも心身ともに楽に生活が送れるようになりました。
50代女性・生活保護受給金額は毎月8万円
項目 | 受給金額 |
生活扶助1 | 20,000円 |
生活扶助2 | 30,000円 |
住宅扶助2 | 30,000円 |
合計 | 約80,000円 |

生活保護は働きながらでも毎月受給ができるようで(収入申告が毎月必要なので給料明細や通帳コピーを提出)、私は働けるときは仕事もしています。満足に働けるようになったら生活保護もやめて、しっかりと自立をしようとも考えています。こういった考えも受給前はできませんでした。なので生活保護には感謝しています。
生活保護は誰でも受給できるわけではない!金額よりも状況をチェック

これから生活保護を受けようと考えている全ての人に知ってほしいのですが生活保護は誰もが受給できるわけではありません。
まとまった収入がある・ある程度の収入がある
収入が最低生活費を大きく下回っていなければ生活保護は受給できません。
収入ー生活費(家賃を含む)=マイナス
これが最低限の条件だと考えてください。

こういったケースでは生活保護は受けられません。
働けるのに働かない人

このように働ける状況であるにも関わらず働かない人は、生活保護を受けられません。基本的に生活保護は働けない理由がある人にのみ支給される国のお金です。働きたくない、周囲に助けてくれる家族がいる、重たい疾患や病がない、そういった場合は生活保護が受けられない可能性があると考えてください。
また家族と同居している場合、世帯の収入が最低生活費を下回っているかが重要になります。自分は満足に生活を送れていなかったとしても世帯および家族は問題なく暮らせていれば、生活保護は受けられません。これについての相談を役所にしても「働いてください」としか言われません。
持ち家や資産がある

そういった状況の方がごく稀にいます。
- 親族から相続された土地や家がある
- 車を所有している
- 持ち家に住んでいる
など。このような状況は生活保護の受給ができない可能性が非常に高くなります。生活保護の申請をした場合でも「先に土地や家の売却をしてください」と言われ、門前払いされるケースがほとんど。もちろん生活保護を受けている最中に資産を所有していることが見つかれば、即打ち切りになります。
年金を受給している
年金を受給している場合、最低生活費を下回らない人がほとんどです。
収入(年金)ー生活費(家賃を含む)=マイナス
こういった計算になっていなければ生活保護は受給できません。「マイナスではなく0になる」という場合もアウトです。
生活保護費を借金の返済額に当てようと考えている

このように考える人もいると思います。しかし生活保護は借金の返済に当てることは禁止されています。借金を持っていても生活保護を受けることはできます。しかし「借金がある」という時点で、債務整理を勧められます。「債務整理をした上で改めて生活保護の受給申請を行なってください」と言われるケースが非常に多いです。
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また生活保護受給中に新たに借金を作った場合「借金=収入」と見られてしまい、支給額が減額または打ち切りになります。生活保護受給者は大手消費者金融をはじめとする大半の金融業者が新規借入を受け付けません。
しかし闇金融や違法に運営している金融業者は、生活保護受給者にも貸付を行います。そういった業者からお金を借りれば、強引で違法な取り立て、嫌がらせなどを受ける可能性もあります。生活保護の受給額を全額持ち去られることはもちろん、今ある生活すらもキープができなくなる可能性もあります。
絶対に生活保護受給中に借金を作らないように気をつけましょう。
生活保護の金額をチェックしたいと思ったら自治体に相談を!

- 生活保護でどのくらいの金額をもらえるのか確認したい
- 生活保護を受けられるのか詳しく話を聞きたい
- どうしたらいいのか、相談したい
今現在の生活が苦しく「生活保護受給」を考えているのであれば、まずは近隣の役所や自治体に相談の連絡をしましょう。実際に足を運び生活保護の相談をすることに抵抗があれば、電話で相談をするのもOKです。まずは専門家である役所や自治体の担当窓口に相談をしてみましょう。
生活保護は苦しい生活をカバーするのに最適な方法です。今現在の生活が苦しく、生きることが大変だと思うのであれば、まずは相談をしてみましょう。